リノベーションコラム

公開日:2018.08.07

エコカラットとは

エコカラットとは

エコカラット」は、デザイン性の高さとともに生活を快適にする機能を持った壁材。換気するだけではなかなか消えない室内のニオイを脱臭し、ジメジメとした空気を快適な湿度に調整してくれます。そのほか空気中に漂う有害物質を吸着して低減する効果もあり、毎日の生活に嬉しい効果をもたらしてくれる高機能な壁材です。今回はリフォーム・リノベーションでも人気の高い「エコカラット」について、特徴やおすすめポイントをご紹介していきます。
目次

エコカラットとは?

「エコカラット」とは、LIXIL(リクシル)社から発売されている内装用の壁材です。エコカラットの材質は「多孔質セラミックス」という焼き物で、日本に古来から伝わる伝統工法「土壁」をヒントに生まれました。 エコカラットには、1ナノメートル(1mmの100万分の1)という非常に小さな孔(あな)があります。この微細な孔に空気が出入りすることで、防臭効果や調湿効果が発揮できるのです。

エコカラットの効果

エコカラットの嬉しい4つの機能を順にご紹介していきます。

お部屋の湿度を安定させます

エコカラットには、空気中の余分な湿気を吸収し、乾燥すると放出することで、室内の湿度を適度に調整する効果があります。そのはたらきは他の調湿素材と比べてもたいへん優れており、珪藻土の5~6倍・調湿壁紙の25倍です(LIXIL調べ)。 冬場に多い窓の結露や梅雨時のジメジメ…人間が快適と感じる湿度は40~70%ほどで、それ以上になると不快感を覚えるもの。また、70%を超えるとダニが増殖しやすく、80%を超えるとカビが発生しやすくなります。 エコカラットは、室内の湿度を快適な40~70%にコントロールするため、アレルギーの原因となるダニ・カビの繁殖を抑えるのを助けてくれます。

ニオイを軽減します

普通に生活するだけでも発生してしまうものが、室内のニオイ。エコカラットの微細な孔には、不快なニオイの原因物質を吸着するはたらきがあります。 トイレ臭の原因となる「アンモニア」、生ゴミ臭の「トリメチルアミン」、タバコ臭の「硫化水素」、ペット臭の「メチルメルカプタン」、いずれの成分にも低減効果が確認されています。また、生活臭の特徴である「複合臭(さまざまなニオイが混ざりあったもの)」の低減にも効果的です。 エコカラットの優れた脱臭効果は公共施設でも実証され、ホテルや病院にも採用されています。

有害物質をキャッチし、シックハウス対策

住宅の高気密化により増加している健康問題が「シックハウス症候群」です。内装材や建材に含まれる化学物質が原因で、「頭やのどが痛い」「目がチカチカする」といった症状に悩まされる人が増えています。 エコカラットには、有害な化学物質は含まれていません。さらに、空気中の有害物質を吸着するはたらきもあります。 有害物質の「トルエン」「ホルムアルデヒド」を用いた実験では、エコカラットによって開始後1日で厚生労働省のガイドライン濃度を下回り、その後も効果が持続することが証明されました。

お手入れラクラク

エコカラットの日常的なお手入れ方法は、市販のハンディモップなどでホコリを落とすだけでOK。手あかや鉛筆等の汚れが付着した場合は、プラスティック消しゴムでこすれば落とすことができます。ただし水拭きはできません(※)。 そのほか、コーヒーやケチャップなどの着色汚れや小便の飛沫が付着した場合は、綿棒で漂白剤を叩きこむように塗るとシミを薄くすることができます。砂消しゴムや金たわしなど、硬いものでこすると傷が付いたり汚れが広がってしまうことがあるので注意しましょう。 ※水拭き掃除したい場所には「エコカラット+(プラス)」がおすすめです。

エコカラットの寿命は?

エコカラットは半永久的に使用することが可能です。ただし焼き物のため、強い衝撃を受けるとヒビが入ったり割れたりすることがあります。 傷がついても機能的には問題はなく、専用の補修材「カラットコーク」を使用して、目立たなくすることもできます。大きな傷ができたり割れてしまった場合は、施工会社に張替えを相談しましょう。

エコカラットおすすめ使用ポイント

エコカラットは、家族が過ごす時間の長いリビング・ダイニングや子ども部屋に採用することで、毎日の生活を快適に保つことができます。また、玄関・トイレ・クローゼットなど、湿気や臭いがこもりがちな場所にもおすすめです。デザイン性が高いため、インテリアのアクセントにもなります。 エコカラットの効果を引き出すためには、床面積の4分の1以上の施工が推奨されています。例えば12畳ほどの居室なら4㎡以上、トイレなら1㎡以上が目安です。

エコカラット+とは?

「エコカラット+(プラス)」は、すぐれた防水効果を持つ製品です。これまで調湿建材に防水効果を持たせるのは難しいとされていましたが、エコカラットの機能はそのままに、水拭きによるお手入れが可能になりました。水が掛かりやすい場所や汚れやすい場所(トイレ・洗面室など)には、エコカラット+の採用がおすすめです。

まとめ

室内を適度な湿度に保ち、気になるニオイの原因物質や有害な化学物質を吸着するエコカラット。高機能なだけではなく、インテリアのアクセントとなるデザイン性の高さは、住まいをより快適な空間にします。リフォーム・リノベーションの際は壁材にエコカラットを取り入れてはいかがですか?
この記事を書いた人
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エココ 遠藤
リノベーションデザイナー
"たくさんお話をすることで、本当に作りたい住まいが見えてくる"をモットーに多数のリノベーションを手掛けてきました。
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